以前、橈骨遠位端骨折徒手整復編はお伝えいたしましたが・・・
今回は手術後・編です。
まずは、橈骨遠位端骨折のおさらい。
橈骨(とうこつ)は、前腕にある2本の骨のうち、親指側の骨のことで、橈骨の手首近くでの骨折を総称して橈骨遠位端骨折といいます。
転倒し、手を強くついた際に発生しやすい骨折です。
若年者ではスポーツや交通事故、転落事故などの強い外力が加わる外傷が原因であることが多い一方、高齢者では、屋内での転倒など軽微な外力でも骨折が生じます。
骨折を起こすと、手首周囲の強い腫れと変形、疼痛があり、手に力が入りにくくなる等の症状が見られます。
骨折の転位が小さい場合は徒手整復し、安定した整復位が得られた場合はギプスによる治療が可能です。
その後、週に1~2回レントゲンで骨折の状態を確認し、整復位を良好に保つことが出来ればそのまま4~6週間のギプス固定を行い、その後手首の関節運動(リハビリ)を開始していきます。
途中で骨折部がずれてきた場合や、最初から整復位を保持出来ない場合は手術を行います。
手術は骨折の状態や骨の強さ、転位の程度等によりいくつかの手術方法がありますが、最近は掌側ロッキングプレート法という術式が主流のようです。
金属プレートとスクリュー(ネジ)を連結できるように特殊加工されたロッキングプレートをもちいた固定方法です。
麻酔後、手首の掌側を4~5cm切開し、骨折を整復して、プレートと数本のスクリューで骨折を固定します。
手術時間は約1時間程度。
術後は多くの場合、ギプスは不要となり、手術翌日から手首を動かす練習が出来るため、骨折による関連関節の拘縮を減らすことができます。
ただし、骨がつながるまでの期間を短縮できるわけではないため、用心する期間はギプス治療と変わりません。
症例
負傷日 12月14日
負傷原因 車止めでつまずき左手を衝き転倒。
経過 即座に救急病院を受診。徒手整復ギプス固定。受傷後、2週間後のレントゲン検査で、予想以上の転位を確認。
12月27日、掌側ロッキングプレート法にて手術。
1月6日、抜糸。
1月7日当院来院。
今回、受傷直後の状態を確認できていませんので詳しい状況はわからないのですが、手術、抜糸後、ギプスは除去して来院。
プレートで固定しているため、骨折部位の転位を心配しながらリハビリということはありません。
写真は当院来院初診時に撮った写真です。
左右差は倍!と言っても過言ではないくらいの・・・手は腫れ、浮腫み・・・
もちろん医師と連携し、まずは腫れ、浮腫みの減少を最優先課題にし関節拘縮改善を目指します。
患者さんは、リハビリ課題を出されても、最初はなかなか自分では対処不能なので、当院でできること、自宅でできることをしっかり話しあい早期社会復帰を目指します。
骨折をしたら・・・痛い・・・そして、回復するまで大変不便です。
車止めで転倒するケースは年々増えています。
皆々様、お気をつけてくださいませ。。。
それでは本日も転倒に気をつけて、笑顔でがんばっていきましょう♪
以下、「宮迫接骨院オフィシャルホームページ」もよろしくお願いいたします。 http://www.miyasako.net/