88.骨折をしても野球はできる!?
骨折をしながら、四つん這いでタスキを繋ぐ!
美談か!?
それとも無謀か!?
先般、そんな議論が巻き起こりました。
骨折。
治療家の立場からしたら、当然、骨折で競技を続けることは否定となります。
ただ、選手の気持ち、特に駅伝という団体競技の場合、タスキが途絶えることはどうしても避けたい!ということになる気持ちもわかります。
ただ、治療家として、これをただの美談にしてしまうのは、危険であると考えます。
今回の駅伝の場合は危険予知が十分であったと言えません。
で、あるならば・・・
今回の事象をただの「アクシデント」として捉えるのではなく、これを機に、一定のルールを設ける必要があると考えます。
例えば、「自立歩行、走行できない状態であれば、その競技者を失格とする。」
ルールがあれば、試合に出る前の状態を今まで以上に洞察することができるのではないか。
また、ルールがある以上、当該選手も自分の意志ではないところで競技を停止することができます。
「這ってでも走れ!」
「腕が折れてでも投げろ!」
精神的がんばり!は古来日本の美徳とされてきた一面があることも事実ですし、それで多くの感動や成長も得られたことも事実でしょう。
ただ、一方、そのことで選手生命を断たれたり、選手としてのチカラを急速に落としてしまったりすることもあることも事実です。
「精神論とケガ」
医学がこれだけ発達・発展している状況ですから、現場だけでなく医療者も交えた議論が必要ではないでしょうか。
話が本題がそれましたが・・・
「骨折しても野球はできる!?」
もちろん、骨折がわかった上でプレーをさせることは無謀と言えます。
ただ・・・
試合の重要度、チーム事情、骨折を押して試合に出場した場合のリスクを感覚ではなく、医療者と相談し・・・
骨折の部位、骨折の程度、骨に付着する筋肉・腱の状態を勘案すれば・・・
絶対に無理!ということもありません。

ただ軽微な骨折だとしても、将来的に後遺障害を残してしまうかもしれない場合は、絶対に断念させます。
「時と場合による」「ケースバイケース」
こうした仕事をしていれば、そうした事象に常にさらされています。
どちらを選択するとしても、苦渋の判断です。
骨折をしても野球はできる!?
答えは・・・
当然しないほうがよいが、骨折の場所、程度によれば、様々なことを勘案し、できないこともない場合がある。
様々なことの勘案は選手の意志だけではいけません。
医学的見地を含め、保護者・指導者・患者の全体で結論を出します。
選手のただやりたい!だけでは、実行できないということは言うまでもありません。
治療家として、大変難しい問題・対応が、日々発生し、責任の大きさも感じますし、やりがいも、感じます。
治療家は、日々研究・研鑽・勉強をすることは当たり前のことです。
治療家を悩ませるケガをしないように、しっかりと身体作りをしていきましょう!
それでは本日も勉強を怠らず、心をこめて、笑顔で元気にがんばっていきましょう!
以下のブログも時間があれば、覗いてみてくださいませ。
「体幹トレーニング&ストレッチ教室in呉・広島」
http://blogs.yahoo.co.jp/miyasakoproject2016
「宮迫接骨院オフィシャルホームページ」