小学生男子。
昨年11月末、野球練習、投球時に右肘に激痛が走る。
肘の屈曲、伸展が全くできず、指導者、保護者の相談のもと、休日ということで救急(総合病院整形外科)を受診。
レントゲン検査、肘周辺骨に異常なし、安静指導をうける。
日を改めて、自宅近くの整形外科を受診。
レントゲン検査、肘周辺骨に異常なし、安静指導。
受傷後、2週間安静を保つも、なかなか肘の屈曲外転できず、当院来院。
問診後、肘の自動屈曲、伸展の検査、肘の骨、靭帯、筋肉付着部の徒手検査。
肘の自動屈曲90°、完全伸展不能。
受傷直後の状態を診ていないのでなんとも難しい判断。
しかし受傷直後のレントゲン検査で異常なしとのことなので・・・
1週間の治療後、全く変化がない場合、MRIによる検査を念頭において治療を開始。
肘の屈曲90°では野球の練習は不能。
ジョグをしても時間経過で右肘に疼痛を発症するため、ランを伴わない下半身のトレーニングしかできない・・・
では、今は何もできない!?
いえいえ、そんなことはありません!と、、、
治療と併用して股関節を含む各関節の可動域チェック。
関節の連動性をチェック。
はい!
股関節が硬い!!!
股関節が硬いと・・・
どうしても上半身のチカラだけで投球しようとし、肘、もしくは肩に負担がかかる。
ランもできない・・・
では、この際に、股関節、身体を柔らかくしよう!
最初の股関節計測は・・・
開脚106°、開脚前屈はようやく手の平が届く程度。
1カ月後、開脚130°、開脚前屈肘がつくようにを目標に治療とともに敢行!!!
すると・・・
1カ月後・・・

開脚135°、開脚前屈顎がつくまでに急成長!
そして右肘に関しても、痛みは徐々にひき、2週間後には肘のチューブトレーニングを開始。
3週間後には肘の完全屈曲が可能、シャドーピッチング開始。
1カ月後には練習に完全復帰!
1か月間野球の練習はできませんでした。
しかし・・・
1か月前にはなかった身体の柔軟性を獲得。
要は、野球練習ができなかった期間に、野球をする身体を獲得!
もちろん野球の練習が1ヶ月できなかったという不安はありますが、野球をする身体を獲得したことは、この小学生にとって非常に有益であったと考えられます。
野球障害になった時、練習ができないと嘆くのではなく・・・
その時にできること、しなくてはならないことをしっかりとする!
そうすることで今後の野球人生において「大きなチカラ」になるはずです。
今回、遭遇した野球肘。
なかなか難しい症例ではありましたが、キチント治療、そして併行して野球ができる身体作りができました。
このことを理解し努力した子供、そして指導者、保護者の協力があったからこそ、可能になった症例。
野球肘、野球肩で苦しんでいる子供たち、そして指導者、保護者には今できることをしっかりと!ということを伝えていきたい!
それでは今日もできることはしっかりと!の気持ちで笑顔でがんばっていきましょう!
以下、「宮迫接骨院オフィシャルホームページ」もよろしくお願いいたします。