72.脳梗塞!
「今朝から肩が痛いんですけど・・・」
受付で交わされる接骨院の日常・・・
ただ、少々患者さんの様子がおかしい・・・
問診表の記載をお願いすると・・・
「書けない!」の一点張り。
書けない理由を聞くと・・・
「力が入らん!」
通常、激しい転倒などで肩の骨折、脱臼がある場合は、もちろん痛みで書くことは難しいでしょう。
ただ、受付嬢が話を聞くと、大きな原因はないと言う。
受付で押し問答をしていても仕方がないので施術室に入っていただく・・・
何気に歩行がおかしい・・・
ただ、この患者さんは当院の受診が初めてだったので、何かの原因で元々そうした歩き方をしているのかもしれない・・・
そして、着席をしていただき、問診開始。
「今朝から肩が痛くて痛くてたまらん!」
「本当に原因に思い当たるところはないですか?」
問診をしながら顔の表情を観察。
ただ、痛くて痛くてといいつつ、肩関節の脱臼はなし、関節の可動も完全ではないが自力で70%程度可能。
「鍼でも打って治してや!」とセキを切ったように発する患者さん。
ただ、やはり何か変・・・
会話の口調が、呂律が正確でないと感じる・・・
で、既往歴を聞く・・・
今までに大きな病気、ケガなどはしたことがないと言う。
ある病気が頭に浮かび・・・
上手に書けなくてよいので、名前だけでよいので書いてみてくれますか?と。
すると・・・
制御できない右手・・・
字を書こうとはしても完全には自分の言うことを聞かない右手・・・
接骨院で扱う病変でないと判断。
「脳梗塞」の疑い・・・
仕事の途中に抜け出してきた患者さんではありましたが、「すぐさま」脳神経外科の受診を促す。
最初は脳神経外科への転院を言われ動揺は見せましたが・・・
間違っても、自宅に帰るとか仕事にはいかないで!と念を押し・・・
急を要するので簡単な紹介状を持たせ、当院を出たら、すぐに脳神経外科へ直行してと指示。
数年に一度ですが、接骨院でも脳神経外科に患者さんを紹介するケースがあります。
この患者さん、わたくしの指示を素直に聞いてくれて脳神経外科を受診。
診断名はやはり「脳梗塞」
脳神経外科では帰宅を許されず、緊急入院となりました。
幸い、手術をせず投薬で様子をみるレベルということで、まずは一安心。
ただ、こうした症状を放置してるいと・・・
タイミングが悪ければ・・・
命の危険にもさらされます。
接骨院から脳神経外科への転院は多いことではありませんが、こうした症例も稀にあります。
接骨院は本来ケガなどを診させていただく場所ではありますが、問診の重要性、また問診時の患者さんの態度、行動はしっかりと注視しておかなければいけないと再確認。
この患者さんを安易に施術し、様子をみてみましょう!などと対応していたら・・・
当然大変な事態になったことが想定できます。
バタバタして忙しい時こそ、一呼吸おく「ゆとり」を持ちたいものです。
接骨院は命のやり取りをする場所ではありませんが、医療人として多くの正確な知識を持ち、常に勉強を怠ってはいけないとも感じました。

いつもと違う身体の異常、症状がある場合・・・
簡単に考えがちになる気持ちはわかりますが・・・
希望や願望で病気やケガは治せません!
いつもと違う身体の異常、症状がある場合は、しかるべき行動を起こしましょう!
接骨院の先生は柔道整復師という国家資格を持っています。
病院の敷居が高いな・・・と感じた場合、信頼できる接骨院があれば、行って相談する!というのもよいのではないでしょうか。
それでは本日も仕事に誇りを持ち、勉強を怠らず、今日も笑顔で元気にがんばっていきましょう!!!
以下のブログも時間があれば、覗いてみてくださいませ。
「体幹トレーニング&ストレッチ教室in呉・広島」
http://blogs.yahoo.co.jp/miyasakoproject2016
「宮迫接骨院オフィシャルホームページ」